MJ-S1
どう守る?国民皆保険
2月20日(水) 14:30 - 16:30

社会保障と財政

財務省 主計局次長 宇波 弘貴 宇波 弘貴 主計局次長 財務省

[講演内容]

[Abstract]

・急速な少子高齢化の中での財政と社会保障制度の持続可能性をめぐる課題、
・社会保障制度改革の方向性

[講演者プロフィール]

[Profile]

1989年 東京大学経済学部卒、1993年 MIT経営大学院経営学修士(MBA)。
1989年旧大蔵省入省、伊勢税務署長、旧厚生省出向(児童家庭局、保険局)、主計局総務課補佐、主計局主計官補佐(年金、医療、外務経済協力担当を歴任)、在フランス日本国大使館財務参事官、内閣参事官(社会保障・税一体改革担当)・主税局総務課企画官、主税局調査課長、2011年~内閣官房長官秘書官(野田内閣)、2013年~主計局主計官(経済産業、環境、司法警察担当)、2014年~主計局主計官(厚生労働担当)、2016年~大臣官房総合政策課長などを経て、2018年より現職。

超高齢社会への対応
~社会保障制度改革の視点~

経済産業省 商務・サービスグループ 政策統括調整官 / 厚生労働省 医政局 統括調整官 / 内閣官房 健康・医療戦略室 次長 江崎 禎英 江崎 禎英 政策統括調整官 / 商務・サービスグループ 経済産業省 内閣官房 健康・医療戦略室 次長 医政局 統括調整官 / 厚生労働省

[講演内容]

[Abstract]

経済が豊かになり誰もが健康で長生きすることを望めば、社会は必然的に高齢化する。我々が取り組むべきは、単に財政逼迫に起因する社会保障制度の見直しに止まらず、人口構造の変化や主たる疾患の性質の変化を踏まえて「社会経済システム」そのものの見直しを行うことである。
日本の社会保障制度は、戦後復興・経済成長期に基本設計がなされており、「国民皆保険制度」は、結核に代表される感染症が死因の上位を占めていた時代に整備されたものである。その後、経済成長に裏打ちされた社会保障の拡充や国民皆保険に支えられた先進的な医療技術の導入・普及は、結果的に、自立して生活できない虚弱なお年寄りを大量に生み出すことになった。
人生100年時代と言われる今日、如何に最期まで幸せに「生ききる」かが重要なテーマであり、誰もが夫々の年齢や体力に応じて社会の一員としての役割を果たすことが出来る「生涯現役社会」を構築することが求められる。そのためには、いわゆる「生産年齢」の段階から、経営者や従業員に健康管理への取組みを促すとともに、年齢が進むにしたがって多様化する「健康需要」に対応するためのサービスを創出し、地域資源を活用しながら地域の実情にあった供給体制を整えていくことが必要である。
また、現在医科診療費の約3分の1は生活習慣病の治療が占めており、高齢化由来の疾患を加えると半分以上となる。過去の主たる疾患は感染症であり、原因となる細菌やウイルスが体の外から入ってくることで引き起こされた。しかし現在は、主に体の中の複数要因が関係する老化や生活習慣に起因する疾患が中心になっている。こうした多因子関連型の疾患では、潜在疾患の早期発見による予防や進行抑制が重要であり、食事や運動管理も含めた総合的な対応が求められる。
特に、健康・医療データの活用については、ビッグデータへの過度の期待から脱却し、本人性が確保された質の高い健康・医療情報(クォリティデータ)を基にマルチ分析を行い、適切な指導・介入のためのツールや仕組みを整備することが求められる。
これら一連の取り組みを通じて、超高齢化社会のあるべき社会経済システムを再構築し、新たな産業群を育成することが、時代の転換期にある我が国社会の課題である。

[講演者プロフィール]

[Profile]

1964年岐阜県生まれ。89年に東京大学教養学部教養学科国際関係論分科を卒業し、通商産業省(現・経済産業省)入省。通商、金融、IT政策のほか、大蔵省(現在の財務省、金融庁)で金融制度改革、内閣官房で個人情報保護法の立案に携わり、EU(欧州委員会)に勤務。その後、ものづくり政策、外国人労働者問題、エネルギー政策を担当し、岐阜県への出向を経て2012年から健康医療分野に携わり、2017年から現職。

(敬称略)

(Honorifics omitted)

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